顧客に提案をする際の、提案の種は顧客から発せられた「情報」の中にある。
しかし、同時に同じ話を聞いたとしても、持ち帰る情報は人それぞれでしょう。
営業成果を出すためには、情報を如何に正しく持ち帰るのかということが重要と言えます。そのポイントは何んでしょうか。
事実と解釈を分ける
営業を始めたてであったり、なかなか成果が上がらない人の特徴として、「事実と解釈が混同している」ということが挙げられます。
事実:顧客が発した言葉・顧客自身の考え
解釈:事実を聞いて自分が思ったことや脳内補完した情報
上記のように書くと、「え?そんなん混同する人います?」と思える人もいるでしょう。
しかし、かなり多くの営業担当(特に成果が上がらない人)は、混同してしまっています。
混同してしまった結果、提案を持っていくと顧客から「そんなことは言ってない」とか「そこの課題が最優先ではない」などと提案が上滑りしてしまいます。
マネージャーも意識しないと混同してしまう
マネージャーは、営業同行をしている場合を除き、基本的に営業担当から顧客の情報を聞いてアドバイスをすることになります。
つまり、マネージャーは営業担当からの「間接情報」で、物事を考えることになります。
情報の発信元である営業担当の情報が、事実と解釈が混ざっていた場合、当然マネージャーも状況を見誤ることになってしまいます。
これは、日本語の特徴である「主語の省略」がもたらすもので、意識をしないと上記のようなことに陥ってしまうのです。
解決方法は至ってシンプル
マネージャーとして、営業担当の「事実と解釈の混同」を解決する方法は、2つあります。
①相談の際に、主語をはっきりさせる
②営業同行をして、同じ情報を一緒に得て、その後すり合わせをする
まず、自分が営業同行をすることができない場合、営業担当からの相談時に、「それは誰が言ったの?」と主語をはっきりさせるように投げかけることです。
営業担当の状況報告に、一つ一つ「誰が言った言葉なのか」を聞いていくこともできますし、報告を一旦聞いて「今話した中で、顧客が実際に言った言葉はどれ?」という投げかけもできます。
そして、それ以外は解釈であるということを営業担当に伝えるという方法です。
全ての案件に営業同行をするわけにはいかないので、日々この投げかけをすることによって、徐々に営業担当に伝えていきます。
次に、実際に営業同行に行くという方法もあります。
同時に同じ情報を聞き、アポイントが終わってから、情報の整理や提案骨子を考えるすり合わせをします。同じ情報を一緒に聞いているわけですから、「事実と解釈の混同」にはすぐ気づきます。
こちらも一つ一つ丁寧に指摘します。
こういった癖は、なかなか急には抜けません。辛抱強く投げかけ続けることが大切です。