リクルート社内で使用されている独特の用語を元リクルート出身の方に聞いてまとめました。これらの用語は、リクルートの社風やその背景を色濃く反映しており、社外の方々にはなかなか通じないかもしれませんが、強い営業組織としてのリクルートの特色や社風が、これらの用語からも感じ取れます。
新規事業関連用語
フィジビリ
フィジビリティ・スタディ(Feasibility Study)の略。
事業やプロジェクトの実現のための課題やリスク、コスト、必要なリソース、市場の反応などを詳細に調査・分析し、それが現実的に実現可能かどうかを評価するためのステップのこと。
用例:「このプロジェクトは今期フィジビリとして動かします(=まず試しでやってみます、の意)」
営業関連用語
アスピ
アスピレーションの省略形であり、達成できるかわからないが、意気込みとしてこのくらいということ。「アスピ目標」と言ったりする。
用例:「来期のアスピレーション目標は〜です(=達成できるか分からないが、このくらい高い数字を目指します、の意)」
ZD
全然ダメ(Zenzen Dame)の略。見込みのない顧客に対して使う。
オブリ
オブリゲーションの省略形であり、「必達」ということ。アスピと近い関係にはあるが、意味合いが180度異なる。
テルクリ /テレクリ
テレフォン・クリーニングの省略形であり、何らかの電話リストに全て電話をかける行為のこと。
用例:「アポ入ってないならテルクリしなさい」
NR
ノン・リターンの略。いわゆる直帰のこと。
バジェット
顧客の予算のこと。お財布ともいう。
ビル倒し
ビルの一番上から一番下まで、全ての見込み顧客に飛び込み営業をすること。近年の風潮にはそぐわないが、自慢げに先輩から後輩に言われることがある。多くの場合、後輩は「そんなので売れてた(楽な)時代があったのか…」と冷ややかな目線を送りがちである。
用例:「昔はビル倒しとか当たり前にしてたんだよね」
ヨミ表
リクルートの営業業績管理で使われる、商談を進行状況別に提案金額を足し上げて部門、個人で見ることができるようにした表のこと。システムから吐き出させて、エクセルなどで加工して使われることがある。
Aヨミ、Bヨミ、Cヨミ
リクルートで使われる商談管理手法である「ヨミ表」にて進行中商談の見込みを表す分類のこと。B、Aヨミはほぼ確実に受注できます、という状態であり、外すと怒られる結果、営業マンはCヨミやBヨミと保険を打って報告することがある。Cヨミはまだ案件が始まったばかりくらいの温度感。
着地
ヨミと並走して、「絶対にこれは受注します」という数字のこと。
用例:「今月の着地なんぼになりそう?」
KS
企画商品の略。広告事業をその生業としていたリクルートにおいては、企画商品は翌年の売り上げを大きく下げる方向に変動する要素があり、事業運営上は必ずしも喜ばれない。まだ経験の営業担当がとにかく数字を作るために受注しがち。
S
エス、と読む。スポンサーの略。いわゆる顧客、クライアントのこと。
用例:「現Sだとこのくらいの売り上げアップが見込めます」→「落ちS(過去取引があったが今は取引のない顧客)含めて考えたらどのくらい?」
TTP
徹底的にパクる、の略。
用例:「やると決めたらあとはTTPで成果を出します」
会議
ジャストアイデア
「私ふと思いついたんですが」をそれっぽくいうための略。
エビデンス
根拠のこと。
用例:「それ、エビデンスあるの?(=本当?の意)」
アジェンダ
会議の議題のこと。
フィックス
確定すること。
用例:「では日程はこれでフィックスで」
人材関連
SNHR
新卒内定者引っ張りルートの略。新卒で内定した内定者が、知り合いを採用などに紹介するルートのこと。
ブレストベース
その場の思いつきに沿って、とほぼ同じ意味。
文化
ATI
圧倒的当事者意識の略。もともと、広告業を生業としていたリクルートが、出向する顧客以上に顧客のことを考えることを営業、商品企画に求めることから誕生した用語。
用例:「ATIを発揮して必達します」「彼/彼女のATIが微塵も感じられない」「もう少しATIを見せてほしい」
よもやま
いわゆる仕事に関連した雑談のこと。
やるやら
やるかやらないかの略。
決めの問題
用例:「じゃ、あとはやるやらだけ決めればいいね」「この件のやるやらはどうなったんでしたっけ?」
ボール
担当のこと。ボールを持つ、などという。
用例:「この件、今、誰ボールになってるんでしたっけ?」
ブレスト
ブレーンストーミングの略。いわゆる発散系の会議、打ち合わせ。
用例:「この案件、どうやって進めるかブレストしようよ」
もう論点はあまりなく、やるのかやらないのかは決断で、ということ。やるやらと近い。
ぬるっと
しっかりとした正規のステップを踏まずに物事が進むありさまを形容した言葉。
用例:「なんかこの案件、ぬるっとした進め方をしてて気持ち悪いなあ」「じゃこれはぬるっと進めておきます」
以上終了
多くの場合、先行後続関係がある仕事において、「これ以上は何もしなくていい」ということを表すための言葉。
用例:「ではあとはこれだけで、以上終了でいいですよね?」
JJ
住宅情報(住宅情報誌)のこと。
用例:「スーモって昔はJJって呼ばれてたんだよ」
XY
ゼクシイ(結婚情報誌)のこと。
オネスト(honest)
正直にいうと、ということ。正直ベースとも近い。
ファクト
事実、のこと。
ナレッジ
「これによって私はうまくいった」のこと。営業の場合は「営業ナレッジ」企画の場合は「企画ナレッジ」があり、多くの場合表彰活動とセットでナレッジ共有というのがある。週次でナレッジ共有を行なっている部門もあるが、事業などの置かれた状況により再現性や難易度は異なるので、年次が高い社員ほど冷ややかな目でみがち。
べスプラ(ベストプラクティス)
ナレッジとほぼ同じ意味だが、より厳選された感が強い。
圧倒的当事者意識
主体的やる気、我がごと感、プロアクティブなスタンスなどで総称されるもののこと。頭文字を省略してATIということが近年増えている。元々リクルートの祖業は広告業であり、あくまで顧客の請負としてビジネスをする構造の中で顧客以上に主体的に考えよ、というメッセージを込めた用語。
WCM(ウィル・キャン・マスト)シート
リクルートは人事評価制度がミッション(大まかなやること)を各種KPIだったり施策に分解したミッションツリーに紐づけて運用しており、その評価システムとして事業部・部門でバラバラに分散したエクセルを使っていた。WCMシートは、半期で振り返りを行うシートであり、この結果をもとに評価(グレード)が決定され、給与が決まる。
RING(リング)
毎年開かれるリクルートの新規事業コンテストのこと。リクルート・イノベーション・グランプリの略。
ARINA(アリーナ)
毎年開かれるリクルートの全社における既存事業営業・企画の表彰制度のこと。オール・リクルート・イノベーション・アワードの略。
棚卸し
ミッション
WCMシートと関連する、大きな目標のこと。
用例:「その業務は私のミッションに含まれていません」「ミッション外のご相談失礼します」
業務に対して、振り返って次何をするか生かすための改善。
用例:「ではリーダーと話して業務の棚卸しをしておいて」
お財布
顧客の予算のこと。
用例:「この企画は顧客のどのお財布から売り上げを上げるつもりなの?」
MP
メディア・プロデュースの略。いわゆる商品企画から業務運用まで幅広くこの用語の元にまとめている。
用例:「今年から営業からMPに異動してきました。顧客との接点を活かしてこれからお客さんに喜ばれるMPになれるよう頑張ります」→(1年後)「とりあえず媒体の効果を出すことが先決ですね」
SBU
ストラテジック・ビジネス・ユニットの略。部門のこと。
当事者意識
能動的に業務を進める態度のこと。リクルートにおいては、当事者意識は圧倒的にある、かゼロかしか存在しない。
用例:「彼/彼女からは当事者意識を感じない」
腹落ち
納得したかどうかのこと。
用例:「なんか不満げだけど、本当に腹落ちしてる?」
やり切る
業務を完了まで持っていくこと。
用例:「割り切って、やり切って、なり切る」
不
主にエンドユーザーである一般消費者が持っているとされている不満・不安などのネガティブな感情のこと。
用例:「結婚式場中心の結婚式プランニングしかできなかった花嫁の不を捉えてゼクシイは誕生した」
お前はどうしたいの?
マネージャーがメンバーに使うなど、役割や年次が上の人が納得していない際に使うことが多い用語。ひどい場合、マネージャーはこの用語しか言っていないことがあり、メンバーからはすべからく見透かされている。
壁打ち
相談のこと。
FOLLOW YOUR HEART
一つ前のリクルートのスローガン。
まだ、ここにない、出会い
最新のリクルートのスローガン。
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