営業活動を行うに際して、ヨミ表を使っている組織は多いでしょう。一方で、ヨミ表を運用している中で極めて大切な「ヨミの定義」がバラついている結果、チームとして一丸になって営業活動に取り組むことが難しいと感じてはいないでしょうか。本記事では、この「ヨミの定義」を業者を使わずに自組織の中で適切にすり合わせるにはどうするかを紹介します。
なお、仮に業者を使うとしても以下のことを念頭に置くだけでより深く業者の力を活用することができるでしょう。
1. 「ヨミの定義をすり合わせるワークショップ」に必要な準備事項
効果的なワークショップ開催に際しては、参加者の選定に始まり、事前に準備をしておく必要があるものを紹介します。
(1) 参加者の選定
以下のような観点を考える必要があるでしょう。優先度は上から順に高い内容となります。
- 営業チーム全員
- 営業サポート、営業企画のチームメンバー
- 他部門からの関連ステークホルダー(必要に応じて)
まず、一番大切なのは関わる営業チーム全員を集めることです。ヨミ表は営業チームのためのものなので、まず最優先なのがヨミ表に実際に入力して、日々ヨミ表を見て次の自身の行動を決める営業チーム全員が集まることが大切です。もし人数の多く、階層に別れている大きめの営業組織であれば少なくとも全組織長が集まることが重要です。
次に重要になるのはヨミ表に入力された情報を活用する立場にある営業サポートや営業企画のチームメンバーです。彼・彼女たちは営業と伴走しながら普段業務を行なっているので、彼らなりの視点があることがあります。例えば営業企画のチームメンバーは、Cヨミがどのくらい受注につながるかという肌感覚を組織横断で持っていることがありますので、ヨミの定義を行う際に定量的な肌感覚を参考にするのに活用できます。
最後に優先度は一番低いですが、営業以外の部門からのステークホルダーがあります。ただ、ヨミ表に実際に入力しないステークホルダー(多くは経営層かと思います)の意見を強く反映しすぎると、営業の入力する項目が増えすぎたり、非現実的な運用になる場合があります。そこでヨミ表の運営を決める営業の組織長の立場としては、経営陣の譲れない部分と、営業メンバーの入力のしやすさ・運営のしやすさをうまくバランスしてヨミ表を運営することが求められます。もしも経営陣がステークホルダーとして関わってくる場合は、ワークショップの開催に先んじて彼・彼女らの期待値を把握しておくとワークショップの結果をより効果的に彼・彼女らにも説明できるでしょう。
(2) データ・資料の整備
こちらも議論を事実に基づいて進める上で、事前に準備できると非常に有用なワークショップにすることができます。
- 現状のセールスプロセスのフロー図
- KPIデータ、目標達成率などの数値
営業メンバーによっての傾向がわかっていると、ヨミを緩くヨミがちか、堅くヨミがちかということがわかります。組織全体で共通的なヨミの基準を持つためには、彼・彼女らの良い性質を生かしつつ、基準としては統一して行くことが大切になります。そこでなるべくわかりやすい基準として、ヨミについては客観的な指標にするのが良いでしょう。例として、Cヨミは見積書を顧客に提出した状態をCヨミ、Bヨミは発注書を顧客に提出した状態にするなどが挙げられます。このように、客観的な状態をヨミに採用しつつ、例えばお客さんが極めてやる気になっており決裁者であるなどの理由で営業の直感としてこの商談は受注できそうだという点を着地フラグとして2軸でヨミ表を運営することでよりヨミ表の使い方を洗練することができます。なお、ヨミ表ドットコムをご利用いただくことでフェーズの定義を簡易に変更すること、着地フラグの運用が即日開始できます。
(3) 場所と時間の設定
- ミーティングルームの確保(ホワイトボードやプロジェクター完備)
- 3時間~半日の時間確保
ヨミの定義について議論するには、あまり普段の延長にしない方がいいでしょう。そのためにあえて普段の1時間程度のミーティングとは異なる場所・時間帯で開催するのが良いでしょう。例えば、ミーティング後はオフのインフォーマルなミーティングとして、飲み会を開催するなどして、より議論を深めるなどができます。
(4) ワークショップのアジェンダ作成
- オープニング(目的の共有、アジェンダの説明)
- 現状のフェーズの共有と確認
- ブレインストーミングセッション
- 運用方法の提案・ディスカッション
- アクションプランの策定
- クロージング(まとめ、次回のアクション、感想シェア)
これはワークショップを行う際のアジェンダ(議題)の例です。ある程度それぞれのパートに時間を区切っておくことで、ワークショップの目的である、しっかりとした議論をし、ヨミの定義を必要に応じて見直すことにつなげることができます。
2. ワークショップの具体的な方法
前項で紹介したワークショップの具体について、紹介します。チェックリスト形式にしているので、必要に応じてご活用ください。
(1) オープニング
- 目的の共有と期待値のアラインメント
- アジェンダの説明と時間の確認
(2) 現状のフェーズの共有と確認
- 現在のセールスプロセスをホワイトボードやプロジェクターを使用して共有
- 短いQ&Aセッションを設ける
(3) ブレインストーミングセッション
- 参加者を数グループに分け、それぞれのグループでヨミの定義に関する改善点や新しい提案を出してもらう
- 各グループからのアイディアを共有し、ディスカッション
(4) 運用方法の提案・ディスカッション
- 運用方法の改善や新しい提案を共有
- 具体的なツールやリソースの必要性、運用のステップを明確化
(5) アクションプランの策定
- 次回のステップや担当者、期限を設定してアクションプランを策定
(6) クロージング
- 本日の議論のまとめと次回のアクションの共有
- 参加者からの感想やフィードバックのシェア
3. 事後のフォローアップ
- アクションプランに基づいて定期的に進捗確認を行う
- 必要に応じて再度ワークショップを実施
4. 期待される効果
- ヨミ表のヨミ定義と運用方法が明確化される
- チーム間のコミュニケーションが活発化し、効率的な営業活動が展開できる
- ターゲットに合わせた営業戦略の実行が可能となる
以上がヨミ表のワークショップの成功に向けての必要な事項になります。自組織に合わせたヨミの定義を適切なものにし、営業活動を効率的に行なっていきましょう!
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