前回、起きている事象を因数分解して考えるということを述べました。
しかし、事象を因数分解したとしても、変化させるパラメーターを間違えると、起きている問題の解決にならない場合があります。何を変化させるのかを考える中で、なかなか結果に結びつかない要素を変化させようと努力してしまう人もいます。どのように考えれば効果的な打ち手となるのでしょうか。
行動量の話:まずは数を打つところから始める
営業活動の基本は行動量です。多くのアクションから、有望な見込み客や商談の機会が生まれます。日々の行動量を増やすことが、結果的に多くの機会を生む鍵となります。
課題設定の重要性:「何を・いつまでに・どうやって・どのくらい」
営業力の中で特に「課題設定力」は重要です。顧客の多岐にわたる情報の中から、真に解決すべき「課題」を明確に設定する能力が、その後の提案や受注を大きく左右します。この課題設定の際、特に「何を・いつまでに・どうやって・どのくらい」という4点セットを意識することは、提案の品質を高めるポイントとなります。
確率の話:あなたの動きを止めるもの
営業活動において、すべての行動が成果に結びつくわけではありません。しかし、これは「確率」として捉えることができます。行動を続けながら、成果につながる可能性の高い行動を見極め、効果的な営業活動を進めることが求められます。
定数と変数: ビジネス課題の真の理解
ビジネスの中には「定数」と「変数」が存在します。定数は変わらない事実や条件、変数は変えることが可能な要素です。営業においては、顧客の問題をこの観点で捉えることが重要です。例えば、顧客が「集客に困っている」と感じている場面で、その原因として「立地の悪さ」を挙げる場合、立地は簡単には変えられない「定数」として捉えるべきです。このような定数に囚われず、変数を見極めて課題を設定することで、実際の解決策に結びつく提案をすることが可能となります。
数学の数式とビジネスの関係
すなわち、数学はビジネスにおいてもとても役に立つということです。y=axという式において、aは定数、xは変数です。もしyという結果を変化させようとした際に、aは定数なので変化することができません。つまりxを変化させるしかないですが、ビジネスにおいてこの定数aを変化させようと一所懸命努力をする人がいます。その人は残念ながらなかなか結果を出すことができません。
つまり、ビジネスにおいて、自らの努力で如何ともし難い事柄もある。それが定数と言えます。
の定数を変化させようとしても、事実上変化させることは難しいです。
例えば、店の売上を上げるために何をすればいいのかと考える際に、店の立地というものは定数に当たります(実際に移転や新規出展するなどして立地を変えることは可能ではあるが、事実上動かし難いためほとんどの場合は定数と言えます)。
このような状況下で売上が上がらない理由として、「立地が悪い」ということを挙げても、だからどうすればいいのかという解決策を見出すことは難しいでしょう。
立地が悪いということ定数と捉え、変化しない中で他に何をどうすればいいのかを考えることに時間を使うことが問題解決につながります。
立地、社会的環境、デバイスなど短期的にかつ個人では如何ともし難いことは、定数になることが多く、自分が対峙している問題を因数分解した際に、定数と変数を意識し、定数は変わらないという前提で変数を如何に変化させることができるのかに集中して考えるということが筋のいい打ち手につながります。
一方、定数はイノベーションの卵
一方で、定数というものは、多くの人が「変化しないもの」と捉える物事でもあります。
ある意味、変化させることを諦めてしまうような事柄でもあると言えます。
短期的な問題可決においては、定数を変化させようとすることは、解決につながらないことが多いですが、多くの人が変化を諦めてしまっている定数を変化させれれば、そこには大きなイノベーションが生まれます。
時間軸、結果のインパクトや影響範囲などを考えた際に、あえて定数にチャレンジするというこも時には必要となってきます。
大事なことは無意識のうちに定数を選んでしまっていたり、定数と変数とをごっちゃに考えたりしないこと。今の自分のフェーズを考えた際に、意識的に定数にチャレンジするという場合は、それはそれでありではないかと思っています。
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